※本ページはPR(広告)が含まれています
第52回(2020年度)社会保険労務士試験の試験結果と講評まとめ
2020年8月23日(日)に実施された第52回社会保険労務士試験の試験結果が全国社会保険労務士会連合会 試験センターのホームページにて公表されましたので、こちらのサイトでも情報をまとめてみました。
諸々の結果を踏まえた総括も掲載してますので、今回の試験のまとめとして参考にしてください。
「最新2021年合格目標!おすすめ社労士通信講座ランキング」はこちら
第52回社会保険労務士試験の試験結果
受験申込者数
種別 | 今年度 (2020年) | 昨年度 (2019年) | 対前年比 |
通常受験者 | 48,168人 | 48,421人 | -0.6% |
科目免除者 | 530人 | 569人 | -6.9% |
公務員特例免除者 | 552人 | 580人 | -4.8% |
合計 | 49,250人 | 49,570人 | -0.6% |
受験者数
種別 | 今年度 (2019年) | 昨年度 (2019年) | 対前年比 |
通常受験者 | 34,011人 | 37,928人 | -10.3% |
科目免除者 | 403人 | 500人 | -19.4% |
公務員特例免除者 | 431人 | 492人 | -12.4% |
合計 | 34,845人 | 38,428人 | -9.3% |
受験率
種別 | 今年度 (2020年) | 昨年度 (2019年) | 対前年比 |
通常受験者 | 70.6% | 78.3% | -9.8% |
科目免除者 | 76.0% | 87.9% | -13.5% |
公務員特例免除者 | 78.0% | 84.8% | -8.0% |
合計 | 70.8% | 77.5% | -8.6% |
合格者数
種別 | 今年度 (2020年) | 昨年度 (2019年) | 対前年比 |
通常受験者 | 2,165人 | 2,427人 | -10.8% |
科目免除者 | 17人 | 31人 | -45.2% |
公務員特例免除者 | 55人 | 67人 | -17.9% |
合計 | 2,237人 | 2,525人 | -11.4% |
合格率
種別 | 今年度 (2020年) | 昨年度 (2019年) | 対前年比 |
通常受験者 | 6.4% | 6.4% | ±0.0% |
科目免除者 | 4.2% | 6.2% | -32.3% |
公務員特例免除者 | 12.8% | 13.6% | -5.9% |
合計 | 6.4% | 6.6% | -3.0% |
合格基準点及び配点
本年度(2020年)の合格基準点及び配点
(1)合格基準点 |
本年度の合格基準は、次2つ条件を満たした者を合格とする。 ① 選択式試験は、総得点25点以上かつ各科目3点以上 ② 択一式試験は、総得点44点以上かつ各科目4点以上 ※ 上記合格基準は、試験の難易度に差が生じたことから昨年度試験の合格基準を補正したものである。 |
(2)配点 |
① 選択式試験は、各問1点とし1科目5点満点、合計40点満点とする。 ② 択一式試験は、各問1点とし1科目10点満点、合計70点満点とする。 |
本年度(2019年)の合格基準点及び配点
(1)合格基準点 |
本年度の合格基準は、次2つ条件を満たした者を合格とする。 ① 選択式試験は、総得点26点以上かつ各科目3点以上 ② 択一式試験は、総得点43点以上かつ各科目4点以上 ※ 上記合格基準は、試験の難易度に差が生じたことから昨年度試験の合格基準を補正したものである。 |
(2)配点 |
① 選択式試験は、各問1点とし1科目5点満点、合計40点満点とする。 ② 択一式試験は、各問1点とし1科目10点満点、合計70点満点とする。 |
フォーサイト 第52回社会保険労務士試験 選択式 講評
選択式の総評!
- 「労働基準法」は、近年の傾向どおり。わからない空欄に関しては、文脈と選択肢から正しい選択肢を選ぶことはできるレベルだった。
「労働安全衛生法」は、Eの問題がかなり細かいので間違っても仕方ないレベル。判例の問題の正解状況によっては、基準点の引下げの可能性あり。 - 「労災保険法」は、「通勤」の定義に関する問題でしたので基本的な内容であり、基準点の確保がしやすかった。
- 「雇用保険法」は、近年の傾向とやや違いがあるものの基本的な内容であったので基準点は確保しやすかった。
- 「労務管理その他の労働に関する一般常識」は、やや見慣れない問題だったこともあり厳しかったと思われます。
そのため、基準点が2に引き下げの可能性が高いと思われる。 - 「社会保険に関する一般常識」は、全体的にやや難しい印象を受ける問題でした。
Aは捨てレベルの問題でしたしD・Eに関しても難問であったと思われますので、基準点の引き下げはあり得ます。 - 「健康保険法」は、例年どおり数字を含んだ空欄がありましたが、基本的な内容でしたので3点以上は狙えるレベルであったといえる。
ただし、正確に覚えられていないことから得点が伸びない可能性があるため基準点が下がる可能性はあります。 - 「厚生年金保険法」は、全体的に基本的な内容であり正解しやすく得点を稼ぎたいところであったといえます。基準点の引き下げはかなり可能性が低いと思われます。
- 「国民年金法」も厚生年金保険法と同様、いずれも基本的な内容だったので3点以上を確保(できればもっと稼ぎたい)したいところでした。
基準点の引き下げの可能性は低いでしょう。
2020年度の選択式試験は、難しい問題もちょこちょこあったが、確実に正解できるところも多かったので総合的には昨年レベルと思われます。ただし、科目別によっては基準点の引き下げの可能性が高いところもあるので25~26点以上と予想される。
フォーサイト 第52回社会保険労務士試験 択一式 講評
択一式の総評!
- 「労働基準法」は、細かいことや事例的なものなどが多く出題されたことで、全体的に難しかったと言える。
確実に得点できるところを取りこぼすと厳しい状況になる科目であったと言えます。
一方、「労働安全衛生法」は、3問ともレベルが高くなかったので得点しやすかったと言える。 - 「労災保険法」は、労災保険法の特徴である、1つのポイントに視点を置く問題が、いくつもありました。その1つのポイントを知らなかったり、
覚えていなかったりすると正解は難しかったと言えます。ただ、すべてが難しいというのではないので、半分くらいは正答を選べたのではないでしょうか。
「労働保険徴収法」は、過去に出題されたことがある基本的なものが中心でしたので、「労災保険法」とのトータルで6点以上は取れるのではないでしょうか。 - 「雇用保険法」は、問7は「捨て問」レベルでしたので気にしなくて問題なし。
そのほかは、行政手引からの出題が多くそれほど難しいものではないので、半分以上は正答を選べるでしょう。
「労働保険徴収法」は、3問とも難しくはなかったので「雇用保険法」とのトータルで最低6点、できれば7点以上は取っておきたいところです。 - 「労務管理その他の労働に関する一般常識」は、法令等の出題が3問でした。そのうち1問は社会保険労務士法で、この問題は確実に正解したいところ。
他の2問は、判例や具体的なことが含まれているので、やや難しいといえます。また、労働経済の2問については厳しい問題でした。
「社会保険労務士法」の問題以外の4問のうち何問正解することができたかが科目別の基準点との関係で重要になります。 - 「社会保険に関する一般常識」は、それほど難しくはなかったとおもわれるので3問以上は正解したいところ。
1問か、2問しか正解することができないと、「労務管理その他の労働に関する一般常識」の状況によって、合計で、
科目別の基準点である4点を確保できない可能性があります。受験生の得点状況によって、もしかしたら、基準点の引下げの可能性があるかもしれません。 - 「健康保険法」は、傾向どおり、通達からの出題がいくつもありましたが多くは過去に出題実績があるものでした。
簡単というわけでもなかったので6問は正解しておきたいレベル。 - 「厚生年金保険法」は、昨年度と同様レベルでかなり得点することができる可能性がありました。
ただ、長文の問題がいくつもあるのでミスをしてしまうこともあると思いますが、7点以上は得点しておきたい科目です。 - 「国民年金法」は、例年通り事例など具体的な内容の問題が出題されていました。基本を理解できていれば正誤判断は可能なレベルであり、
焦らずミスをしなければある程度の得点は可能だったといえます。
今年の択一式試験問題冊子のページ数は62ページでした(昨年度と同ページ)。昨年もそうでしたが、ボリュームがあるので時間配分に苦戦したと思われます。問題レベルから考えた場合、トータルの基準点は昨年より少し高くなると予想されます。
2020年試験の受験申込者は微減、受験者数は約1割減少となりました。やはりコロナウイルス感染症拡大に伴う影響が大きくでたと思います。それに伴い受験率もほぼ同等の減少となっています。ここ数年は連続して受験者は上がっていましたが、ガタっと落ちてしましました。合格者数も昨年に比べて-11.4%と約200人程度少なくなっております。
全体的にコロナウイルス感染症拡大の影響により、試験実施についてやきもきするところもあり、控えられた人もいれば受験そのものが難しかったという方も多くいたのではないかと予想できます。また、生活環境の変化もあり学習のリズムが悪くなった!なども合格率には影響があったかもしれません。
合格発表前の選択式・択一式の講評の予想基準点と比べると、選択式は少し下がるのでは?という予想どおり25点という結果に。択一式も予想通り、昨年よりも1点あがり44点という結果となりました。結果としては、合格率は昨年から3.0%下げの6.4%となりました。講評でもあったように、選択式はやや難解かつ点が取りにくい問題があったとは言え、基本をきっちり学習して実力を発揮できたら合格できたでのはないかと思われます。難易度的には昨年同等か全体通してみると少し易しかったのではないかと思います。
最後に、今年受験されたみなさま、本当にお疲れ様でした。良くも悪くも結果はでましたが、ここで終わりではありません。合格された方には次の道が、残念な結果の場合でも次があります。どちらにしても、前に向かっていくことには変わりありませんので、少しリフレッシュして次のアクションをおこしていきましょう。